哲学とは?を学ぶこともまた哲学。どうやって学ぼう? ー書評『 教養としての哲学 』小川 仁志 著

書評

こんにちは。しんごです。

哲学を学びたい!! と思っていたのですが、でも、どうやって学んで良いのやら。。。勉強法がわからない。

そんなときに出会ったのがこの本。読み終わってますますハマりそうです。

哲学とは?

哲学を学びたいなぁとは思っていましたが、わたしは、哲学とは人生を生きる為の知恵や考え方という感じで理解していました。

そもそも哲学とは何なんでしょう?

google先生などで検索して、調べてみてもいろいろ(笑) 明確にこれ!! と一撃で表現できる学問では無いようです。

ということで、わたしが史上初で、哲学を端的にひとことで言っちゃいます!!

あり方を問う学問。

どうでしょうか?これが哲学です。原理原則をもとに、人としての生き方や物事のあり方、捉え方を学び考えること。国語や数学などは答えがありますが、この学問は考えることがメインなので答えがない!!

これが哲学です。

遅れてる日本の教育

グローバルだ!! 世界進出だ!! とよく言われているものの、日本の教育で1つ足りないものがあるそうです。それが哲学。

欧米を中心に世界では、哲学が学校で教えられ、哲学の知識は当たり前の世界だそうです。

話は少し変わりますが、どうして日本が明治維新を達成できたか。それは、江戸時代後半からしっかりと哲学を日本人が学んでいたからです。

戦後、哲学に触れる機会はほとんどなくなりました。道徳という教科はありますが、小学校まででそれ以降はもうほとんどそういうものに触れる機会はありません。

哲学で考える力を鍛える

哲学を学ぶ上で大事なのは討論です。よくディベートとも言います。

日本の学校は暗記中心ですから、討論する場がありません。わからないことがあったら、google先生に聞こう!! という世の中になってきていますから、見つけた情報の正当性を考えて判断できる能力が大事になります。

そのためにも、自分で考える力を鍛える必要があり、そのために哲学を学ぶ必要があります。今こそ、哲学を学ぶことが必要なときが来ています!!

直面する問題は昔も今も同じ

本の初めに、哲学の歴史を、そして、哲学者たちの思考をどうビジネスに活かせるのかについて紹介してくれています。

ビジネスでの悩みを抱えてる方はちょっとしたバイブルにもなるかもしれませんね。

この本を読んで思ったのは、紀元前の哲学者たちが考えていたことは、現代のわたしたちがぶつかる問題と事象は違えど本質は同じということ

昔の人の考えだからと、ソクラテスやプラトンなどを違う世界の人だと考えてしまったら、そこで思考は停止してしまいます。考える力をつけるためにも、過去の哲学者たちは何を考えていたのを学ぶことはとても重要だと思いました。

いつの時代も人類は同じような悩みを抱えているんですね!!

哲学を学ぶにはまずは過去から

ということで、過去の哲学者たちを学ぶことから哲学に入るのが学びやすいですね。哲学は古代ギリシャから始まっていて現代も続いていますから、どの時代の誰から手をつけたら良いものか。

そんな問題をこの本が解決してくれています。

読んでおくべき名著や名言、重要な人物などを紹介してくれています。その中から1人選んで学んでみましょう!! 学び始めると芋づる式で他の人にもつながってきます

まずは氣になる人を見つけるところから手をつけましょう!!

人間は考える葦である

わたしも1人、氣になる人が書いてありました。ブレーズ・パスカルです。

天気予報でよく聞く氣圧の単位「 パスカル 」や、数学の「 パスカルの定理 」でお馴染みのパスカルです。パスカルは哲学者でもあり、このような言葉を残しています。

人は一本の葦にすぎす、自然の中では最も弱い者である。だが、それは考える葦である。

葦というのはイネ科の植物のことで、風に吹かれると倒れてしまうくらい、とてもか弱いそうです。

人の弱さと重ねているのですが、人は考えることができる。考えることでいくらでも解決することができるということです。ただ、考えるだけではなく、ときには信じることも大切だとも言っています。

深い。

中学校の歴史の授業で初めてこの言葉を聞き、なぜかずーっと心に残っている言葉です。何かあるんでしょうね、たぶん(笑)

目から鱗の「 身体論 」

これは面白い!! という考え方があったので、紹介します。モーリスという方が提唱している「 身体論 」です。今まで哲学は心や考え方がメインだったのですが、初めて身体をテーマにした初めての理論です。

どういうものかというと、心(自分の中) と世界(自分の外) を結びつけているのは身体であり、その身体が心を作っているということです

身体は脳からの信号によって動いていると、当たり前のように考えていました。しかし、よく考えると、脳から身体ということだけでは説明ができないことも体験したことがあります。

元氣の無いときに、ランニングなど運動すると、終わった後なんだかとても清々しく、氣持ちが良くなるときがあります。これは身体から心に信号が行き、心を作ってくれているということなのかなと思いました。

全てが「 身体論 」であるとは言えないですが、この考え方も確かにありますね。

最後まで悩ませた「 唯名論 」

この本を読んでいて何度も同じページを繰り返した読み、最後までわたしを悩ませた考え方があります。それは「 唯名論 」です。

普遍と特殊という関係性において、普遍的な何かがあらかじめ存在するのか、あるいは個別の物がたくさんあって共通の性質を示す名称にすぎないのかという議論が中世ヨーロッパではあったようで、後者が唯名論です。

わかりにくいですよね?はい、わかりにくいんです(笑)

こういうことです。「 丸い 」で考えてみます。

  1. 丸い物を集める。りんごやボールが集まる。
  2. りんごやボールを集める。共通点は丸い。

この2が唯名論ということです。1をそもそも普遍としての「 丸い 」と考えるのは、りんごやボールの性質をそれぞれで表していることであり、普遍をバラバラにしてしまっているということです。

むずい。。。本を読んで考えてみて下さい!!笑

本書をひとことで。

「 哲学への入門書!! 」

2015年に書かれた本ですが、まさに今の時代に必要とされるべく出版された本です。考えることをしなくなってきている現代人、特に日本人には必要な本だと思います。

哲学というと、ちょっと取っ付きにくいイメージがあるかもしれませんが、この本を読むことで、哲学への壁が低くなります。

本の内容はこのような内容です。

  • 哲学の歴史
  • ビジネスに使える哲学の思考
  • おすすめの哲学名著
  • 哲学者たちの名言
  • 哲学に関連する知識
  • 哲学での重要人物一覧
  • 哲学用語の説明

哲学の本というよりは哲学の紹介本という方が近いです。とても読みやすいのですが、一度考えだすと、そのページの滞在時間が長くなります(笑)

著者はどんな人?

著者の小川 仁志(おがわ ひとし) さんはどんな人なのでしょう。

日本の哲学者さんで、専門は公共哲学や政治哲学。商店街で哲学カフェを主宰するなど、市民のための哲学を実践していらっしゃるそうです。

京都出身で、京都大を卒業後、伊藤忠商事に入社。退社後、4年間フリーター生活後、名古屋市役所に入庁。勤務しながら博士号を取得し、国内の大学の准教授。2011年度にはアメリカのプリンストン大学客員研究員としてご活躍されました。

経歴だけ見ると哲学者とは感じない印象でしたが、これだけの本を書かれるのですから、かなり研究されているのがわかります。本の中でヘーゲルをメインで研究しているとも書いてありました。

小川 仁志さんの詳細は →Wikipedia(小川 仁志さんのページ)

ブログもやっているようです。「 哲学者の小川さん

まとめ

哲学を学び始めるのに、おすすめの本を紹介しました。読んでるうちにこんなに付箋が付くくらいとてもハマる本でした!!

この本の中に、日本哲学についても少し触れていました。日本は和の国であるので、色々な考え方が混ざって日本の哲学となる。

つまり、偏った考え方にならないよう、いろんな考え方をわたしたち自身が勉強、実践して行く必要あります。

哲学を始める際の1冊として読んでほしい本です。

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