カカオ発祥地は今のメキシコだった!! ー書評『古代メソアメリカ文明 』青山和夫 著

書評

この本を手に取ったのは、チョコレートが大好きなわたしがカカオの発祥について調べたくなったからです。本書を読み、今までマヤやアステカなどの文明において大変な勘違いをしていたことがわかり、恥ずかしい氣持ちになりました。少しでも正しい知識をお届けします!!

こんにちは。しんごです。市販のチョコレートはほとんど食べないのですが、ショコラティエさんが作るチョコレートが大好きです。

そんなチョコレートの原料のカカオ。そのカカオについて調べるとなんと今のメキシコ周辺地域が発祥の地だそうで、そしたら、マヤとかアステカとかじゃん!! と思い、本書を読みました。

メソアメリカからの贈り物。

メソアメリカとはアメリカ大陸の中央部のことで、今のメキシコ周辺地域のことを指しています。

実は、このメソアメリカ発祥の栽培植物が、わたしたちの食生活にたくさんの影響があったんです!! これらがメソアメリカからわたしたちの大陸に渡ってきた栽培植物たちです。

  • とうもろこし
  • じゃが芋
  • さつま芋
  • トマト
  • 唐辛子
  • かぼちゃ
  • インゲン豆
  • カカオ
  • バニラ
  • アボカド
  • ピーナッツ

他にもありますが、ざっとこんなにあります!! これらがなかったら、けっこう食卓は大騒ぎになりますよね?

チョコレートの原料のカカオはメソアメリカの先住民の方々ががんばって栽培化してくれたものだったのです!!

ありがとう!! メソアメリカの先住民のみなさん!!

ほんとはすごいぞ!! メソアメリカ。

わたしたちは歴史でよく世界四大文明として以下の文明を習いました。

  • エジプト文明
  • メソポタミア文明(
  • インダス文明
  • 黄河文明

実は、この考え方はアメリカ大陸を考慮されていないのです。アメリカ大陸のも合わせると世界六大文明になります!!

  • メソアメリカ文明(中米)
  • アンデス文明(南米)

この2つの文化も高度な文化でした。

特にメソアメリカでは、文字が使われていましたし、天文学や数学などで高度な知識がありました。

さらに凄いのは、インダス文明と同様に、0(ゼロ)という概念を生み出した事です。今でこそ、当たり前に使っています。しかし、0(ゼロ)の考え方がないときに、この概念を生み出したのは相当凄いことだと思いませんか?

この通り、凄い文明だったのに、、、歴史上ではアメリカ先住民の文化は遅れていたということにしたかったらしいです。なので、世界文明の仲間にされず、わたしたちは4つの文明しか習わなかったのです。

メソアメリカ文明の一つ、マヤは神秘の文明のようにテレビなどのマスメディアでは伝えられますが、単に文明を謎・未知のままにしたいからでは?ということも言われているようです。

むむむ。。。

よく見る、「 インカ・マヤ・アステカ5日間で行く!! スペシャルツアー 」なんていう旅行プランを見かけますが、インカもマヤもアステカも時代も場所も違いますからね。お氣を付けくださいね。

西洋史や東洋史の他に、このアメリカ大陸の歴史も学んでこそ、真の世界史を学んだ事になる、と筆者は言っていました。この考え方にはわたしも同意見です。正しい歴史観を身につけたいですね!!

 マヤとアステカの違い。

本書はメソアメリカ最初の文明、オルメカから始まり、スペインに征服されるまでの文明についてそれぞれ詳しく解説してくれています。

マヤは紀元前から始まっていますが、アステカは1350年頃からの文明です。また、アステカはメキシコの中央高地で発生した文明であり、マヤ地区からは1,000キロ以上も離れているそうです。このことからも、全く異なる文明であることがわかります。

しっかり学ばないとごっちゃになってしまいますね。

読めば読むほど、文明の高度さに圧倒されます。今の人たちにこれができるのかなぁ。。。昔の人の方が凄かったのでは?とさえ思ってしまいます。

カカオはお金だった!?

カカオはメソアメリカの特産品でした。カカオは固形ではなく高貴な飲み物として、王様など偉い方々が飲んでいたようです。

乾燥して炒ったカカオ豆をすりつぶして、水に溶かし、トウモロコシの粉、唐辛子などを入れた飲み物だったそうです。現代のココアとはまるで別物ですね!!

そして、このカカオがなんとお金として使用されていました!! 一部地域では20世紀初頭頃まで使われていたというから驚きです。

16世紀のある地域では、カカオ豆1粒で交換できたのは、大きなトマト1個や唐辛子5個、薪1束だったようです。つまり、カカオ豆1粒は現代だと100〜200円といったところでしょうか。けっこう良い値段してますね!!

ちなみにマヤ文字で「 カカオ 」とはこのような文字だそうです。

Screenshot

本書をひとことで。

「 本氣で読まないと眠くなる。」

本氣でメソアメリカを学ぶ氣で読まないと、かなり良い睡眠がとれてしまう分類の本です。考古学の本というのは、けっこうそういうタイプの本が多いですね。

ただ、読むと大変勉強になります。

今まで知らなかったメソアメリカの文明について知る事ができます。特に石器の技術が半端ないので、ピラミッドや都市作りなどには圧倒されてしまいます。

当時の文明を真面目に勉強される方には良い本だと思いました。

ここだけの話、わたしは3,4回ほど落ちました(笑)

著者はどんな人?

著者の青山 和夫さんはどんな人なのでしょう。

1962年京都生まれの方で、東北大学で考古学専攻し卒業。その後、アメリカのピッツバーグ大学の博士課程を修了し、人類学博士として活躍しているそうです。専門はマヤ文明、メソアメリカ文明。

青山 和夫さんの詳細は →Wikipedia(青山 和夫)

まとめ

筆者が真の世界史を学んでほしいと願って、本書を入門書と位置づけて執筆した氣持ちがストレートにぶつかる良い本でした。

カカオ発祥の勉強が、メソアメリカの勉強になり深く学ぶ事ができました。いつの時代もみな精一杯行きてきたんだろうなぁと感じました。

これを機にカカオやマヤの勉強もしていこうと思います!!

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