イグ・ノーベル賞とは何か? それを知るために、2018年9月22(土)から11月4日(日)まで開催された『イグ・ノーベル賞の世界展』に行ってきました!! 開催場所は東京ドーム近くのGalleru AaMo(ギャラリー アーモ)。
イグ・ノーベル賞って何となくは知っていましたが、具体的にどんな内容なのかまではわかっていなかったので、展覧会を見るがとても楽しみです♪
まず、イグ・ノーベル賞についてです。
世界を笑わせ、考えさせる
イグ・ノーベル賞は、1991年にマーク・エイブラハムズ氏によって創設された賞です。賞の対象は人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究。
研究には柔軟な思考が必要なので、心の余裕(笑い)が不可欠という考え方が原点。
イグ・ノーベル賞の語源は、”Ignoble (不名誉な)”からきているそうで、ノーベル賞に対して、裏ノーベル賞とも言われているそうです。
授賞式は毎年秋にハーバード大学のサンダースシアター(大講堂)で開催されています。2018年時点で日本人も24組もの研究者が受賞し、12年連続で受賞しています。
もしあなたが「人を笑わせ、次に人に考えさせることができるなら」それは素晴らしいことです。ぜひ、自分を信じてそれを続けてください。
創設者 マーク・エイブラハムズ氏
簡単にイグ・ノーベル賞についてまとめました。
笑い、つまり心の余裕があるからこそ、良い思考が働く。そして、そのことが他の人の思考を生む。そういう研究を表彰しようという活動だとわたしは感じました。
これは楽しみになってきました。さっそく中へと入っていきましょう!!
こんな授賞式、見たことない!!
中に入ると、けっこうたくさんの人。日本でも少しずつ浸透してきている様子。
ちなみに、このときの館内は撮影は自由ですので、氣になった研究は写真に撮っておくこともできました。
まずは、イグ・ノーベル賞自体についての展示です。
笑いを忘れないトロフィー
写真左下の入れ歯や時計のようなものが見えますが、これは受賞トロフィー。このトロフィーは毎年、異なっており、その年のテーマに即した造形をしているそうです。
例えば、、、
2012年のテーマは宇宙で、万有引力を表す砂時計のトロフィー。
2015年のテーマは生命で、小さな木の鉢のトロフィー。
2016年のテーマは時を刻むで、時計のトロフィー。
主催側も笑いを取りにいくところが、イグ・ノーベル賞のまた良いところです。ただ、いただけるのは名誉なことなのですが、トロフィーちょっと場所取りそう。。。笑
そして、イグ・ノーベル賞の授賞式についてです。これがまたユニークな施策が多く、わたしたちの私生活、仕事生活にも活かせそうな内容もありました!!
紙飛行機
聴衆がステージに向かって紙飛行機を飛ばすが慣習となっているそうです(笑)
いつのタイミングで投げても良いそうなのですが、山場は2回程あり、その時は、的に扮した人がステージに登場。みな、その的を目掛けて一斉に飛ばすそう。
しかも、すごいのが、この紙飛行機を片付ける掃除係は実際にノーベル賞を受賞された方だそう。こんなところにも笑いがあります。
憎い演出が笑いを誘う
授賞式にはたくさんのキャラクターが登場。
威厳と品位を保つための係(本物の弁護士)。これ以上はNGという場合、発表を制止。
審判の格好をしたタイム・キーパー。
スポットライト係。全身を銀色に塗りたくった照明係。
ウェルカムスピーカー。授与式のはじめに、”ようこそ”を連呼して退場。
よくある開会式の、開会の言葉って長いので、”ようこそ”だけで終わるのはいいなぁと思いました。
そして、一番面白かったのがこれ。
授賞式の発表は60秒と決まっているそうなのですが、発表者も情熱があるので、その時間内で話しきれず、オーバーしちゃうのはよくあること。
しかし、これをやると時間がどれだけあっても足りない。
そこで、登場したのが写真の女の子
Ms. Sweetie Poo (ミス・スウィーティー・プー)
発表時間の60秒を越えると、女の子が壇上に上がり、
「 Please stop. I’m bored. (やめて、飽きちゃったわ。) 」
とひたすら連呼。子供に言われた大人は氣まずそうに発表を終えるそう。中にはお菓子やぬいぐるみ等で賄賂を試みるも失敗する人もいるのだとか(笑)
授賞式自体、とても面白そうで、一度、実際に見に行ってみたくなりました。『イグ・ノーベル賞の世界展』、続いては各研究についての展示です。
まさかあれが受賞していたとは、知りませんでした。
時代を動かしたたまごも受賞してた!!
会場内はやはり余裕のある展示空間です。心の余裕=笑いは空間的な余裕も大切なのかも。
イグ・ノーベル賞の世界展で展示されている研究は様々。例えば、、、
「10代の若者の大半は鼻をほじる!?」
「紅茶の正しい淹れ方」
「逃げ出して隠れる目覚まし時計クロッキーの発明」
「非常時にガスマスクへと早変わりするブラジャーの発明」
「人間と古代の彫刻における陰嚢の非対称性について」
「おならのニオイを消すパンツ」
「ハトは兼六園の日本武尊の銅像にだけ寄り付かない」
「オタマジャクシは美味しいか?」
などなど。これはほんの一部です。
中でも、氣になったor楽しかった研究はこちらです。
日本や世界を支配したたまごたち
たまごっち。
1997年にイグ・ノーベル賞を受賞していたそうです。知らなかった。。。
面白いのは、世界の人がたまごっちに費やしていた時間で、ピラミッド1つ作れるくらいだったそうです。そんだけたまごっちにハマってやっていた人が多かったということですね。
会場には初代たまごっちの展示もありました。当時はこれをたくさんバッグにぶら下げて歩いてる人いたなぁと懐かしく思いました。
一度も落としたことなかった。。。笑
トーストを床に落としてしまった時、決まってバターを塗った面が下になってしまった研究者はどうしてかを真面目に研究した内容です。
ちゃんと数学・物理で計算されているところがすごい!!
そして、会場には体験できるように、テーブルとトーストが置かれていました。
ピンクの矢印の方向に、ゆっくりトーストを落とすと、
ひっくり返って、見事、床がバターまみれに。
って、自宅ではこんな経験は一度もないので、なんだか新鮮でした。
ちなみに、バターの塗られている面を下面にして、テーブルから落とすと、床に落ちた時は、バター面ではない方が床側になっていました。面の重力さの影響等を無視すると、単純に180度ひっくり返って落ちるだけなのかもしれません。
パスタの不思議
パスタの両サイドを持っておると、破片が3つ以上になってしまうという研究です。これはやってみたい!! そう思う研究ですが、ここはさすがイグ・ノーベル賞の世界展。パスタがしっかりと用意されていました。
このパスタを1本いただき、両サイドを持ってパキン。
ほんとに3つ以上の破片になりました。これを研究されている内容でした。
このように、各研究に対しての説明や実体験できるような展示になっていました。展示研究数もけっこう多かったので、2時間以上かけて、心の余裕を持ってゆっくりと見て回りました。
まとめ
イグ・ノーベル賞とは何かを知るべく、イグ・ノーベル賞の世界展で学んできたことをレポートしました。ここに載せきらないくらい面白い研究がたくさんありました。
ぱっと見、周りからは頭がおかしいと思われてしまうような研究もあるかもしれませんが、それでも真面目に研究し、本当に氣になることをとことん追求していく姿勢はわたしたちも忘れがちなところ。
ただ、面白い展示会というだけでなく、いろいろなことを考えさせられる展示会でした。
世界を笑わせ、考えさせる。
この展示会でそういう体験をさせていただきました。ありがとうございました!!
開催概要
イグ・ノーベル賞の世界展
日時
2018年 9月22日(土)から
2018年 11月4日(日)まで
平日 12:00〜18:00
土日祝 10:00〜18:00
※最終入館は17:30
※会期中無休
場所
Gallery AaMo
チケット料金(当日券)
大人(高校生以上) 1,400円
小人(小中学生) 900円
チケット料金(前売券)
大人(高校生以上) 1,200円
小人(小中学生) 700円